私見的PCゲーム向けパーツ紹介(BTO含む) -番外編その1(ケースファン編)
皆様こんにちは。TOM1192です。
今回は、ちょっと志向を変えてPCケースやCPUクーラーに使われるファンについてです。
リテールクーラーや一部特殊なCPUクーラーを除いて、PCの冷却システムには規格で作られたファンが使用されます。
サイズは8cm、9cm、10cm、12cm、14cm、18cm、20cmと結構数はありますが、基本的に使われるのは12cmだと思っていてください。
さて、ココまで書いたところで次はファンの制御方式です。
PCに使用されるファンはコネクタの根本の本数で回転数の制御方式が違ってきます。
3ピンと4ピンがあり、3ピンではファンにかかる電圧を制御することで回転数を制御することができ、4ピンではそれに加えて、PWM(パルス幅変調 ※後述)による制御ができます。
価格は3ピンのもののほうが安く買えるほか、回転数の上限に関しては3ピンモデルのほうが高いことが多いです。
一方4ピンは価格では3ピンに負けますが、制御方式で圧倒できます。
その理由を説明します。
まず、3ピンとか言ってますがその内訳は、電源のプラスとマイナスで2ピン、回転数の検知で1ピンの3ピンです。
この関係上、ファンの回転数を制御するためには、ファンにかかる電圧を制御する他ありません。
ただ、ファンが回り続けるためには最低限必要な電圧があり、それを下回るとファンが回り続けられなくなり、停止してしまいます。
その止まったファンを再回転させるために必要な電圧は、回り続けるために必要な電圧より高いため一度止まってしまうとある一定のレベルまで電圧が上がらないと再回転できくなり、CPUやGPUなどの機器の温度上昇につながってしまいます(もちろん再回転すれば制御できるようにはなる)。
では4ピンではどうでしょう?
4ピンでは先述のピンの内訳に加え、PWM信号を送るために1ピン追加されています。
PWMとは特定の周期内で一定の電圧をどれだけの間かけ続けるかを制御する方式です(その比率をデューティ比といいます)。
こちらを見ていただくほうがわかりやすいかと思います。
この制御方式の最大のメリットは電圧にあります。PWM制御方式では制御する際には電圧は一切下がりません。
これはデューティ比で時間あたりの見かけの電圧を上下させて回転数を制御しているためでこの関係上、仮にファンが停止しても再回転するための電圧は常に確保されており一定のレベルまで上げる必要もありません。
停止からの再回転のタイムラグがないため、ファンの回転数がガクガクすることもなくなめらかな制御ができます。
また、制御に必要なのは「PWM信号一つのみ」という仕様というのを活かし、複数のファンをまとめて制御できるという使い方もできます。
一括制御をする場合、こういったものを使用します。
ファンの電源はSATA用電源コネクタから供給するため、PWM制御ができない場合、ファンは全開で回りますので、注意が必要です。
ファンコネクタが少ないローエンドマザーボードでもたくさんのファンをまとめて制御できるのは3ピン方式にはない特徴です。
さて、ここからはちょこっとだけ製品の紹介をしますが、全て4ピンのものです。
同種の3ピンモデルもありますので、先述の制御方式と合わせて選んでいただければかなと思います。
①サイズ KAZE FLEX PWM(12cmファン)
サイズオリジナル設計高密度密閉型FDB採用 防振ラバー搭載 120mmファン KAZE FLEX PWM 300~1200rpm SU1225FD12M-RHP
- 発売日: 2017/08/11
- メディア: Personal Computers
同社のCPUクーラーに採用されているファンの単品版ですが、CPUクーラーに付属しているものと違い回転数の上限が800RPMから1200RPMと若干増えており、より広範囲での制御ができます。
防振用ゴムも標準で付属しており、静音向けかつ価格も手頃なファンならコレがいいでしょう。
②オウルテック San Ace PWM(12cmファン)
オウルテック 安心の2年間交換保証 PCケース用山洋電気製標準PWMファン 12cm 25mm厚 850~2850rpm F12-PWM
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: Personal Computers
オウルテックが代理店を務めていますが、中身は山洋電気のファンです。
特徴としては異様なまでに高い最高回転数で、2850RPMは12cmファンの中ではトップクラスに高いです。
が、その代償か最低回転数も850RPMとちょっと高く、ギリギリまで下げるのには向きません。
このSan Aceは工業品にも使われる高耐久ファンで、信頼性を求めるならこちらも選択肢に十分入ります。
③ENERMAX TBサイレンス PWM(12cmファン)
こちらは静音向けファンです。最大回転数は1500RPM、最低回転数は500RPMです。特徴的なファンの形状により、回転数が上がっても静かに回ります。一方でファンの直進性には難があるため、ケースの外に排気用としてつかったり、トップフローのCPUクーラーで使ったりと使い方を工夫するといいと思います。
④Noctua NF-A12x25 PWM(12vmファン)
CPUクーラーでも有名なNoctua社のファンです。
当方も排気用として一機使用していますが、回転数の割にすごく静かに回る優秀なファンです。 最大回転数は2000RPMとそこそこ高く、最低回転数も450RPMで非常に広範囲な制御を可能とします。
が、最大のネックは価格で、さっきまでのファンは高くても2500円程度だったのに対し、コレは安くても3500円と圧倒的に値段が高く、冷却系のファンでは高級なファンです。
⑤SilverStone SST-AP120i-PRO(12cmファン)
SILVERSTONE 強力なエア圧を実現する120mm徹甲弾ケースファン SST-AP120i-PRO 日本正規代理店品
- 発売日: 2020/04/23
- メディア: Personal Computers
私が愛用するケースのメーカーのSilverStoneのファンです。
最大の特徴は直進性の高い構造で、吸気用やサイドフローのCPUクーラーに向いたファンです。
また、最大回転数は2000RPMで最低回転数は停止(厳密にはその付近)で制御範囲も広いです。
長年PWMモデルが出なかったため、私の中では非常に気になっているファンでもあります。
今回はこれまで。
次回はまた思いついたら書きます。